父親が亡くなった次の年位の出来事です。
その日、おばあちゃんが、父親が出てきて、何だか辛いのだ言っていると。他の先祖?なのか何らかの存在にいじめられている?そんな様なことを僕に言うのです。
それで、親父に 千願心経を上げようかと。万願心経は無理でも千願なら何とか出来る。
この時、初めて千願心経という言葉を知りました。字の如く、1000回心経を唱えるということです。10人でやれば1人、100回。今頃知ったのですが、曹洞宗ではこういったことをする様ですね。うちの墓は曹洞宗の寺にありましたので、そういった経緯なのかも知れません。
僕のおばあちゃん、母親、弟、僕で、千願心経を親父の供養のため、あるところに向かいました。寺では無くて、普通の家です。恐らく不動明王の祭壇があったはずです。
タクシーで移動し、その家に到着すると、じゃぁ始めましょうと、20人近く人が集まっていました。祭壇前で、般若心経が始まります。ずっと繰り返される般若心経。終盤に差し掛かる頃、祭壇の前にいた人のそばに来いと僕が呼ばれました。すると、その人に誰かが憑依した。
誰かと聞くと、僕の親父だと。うんうんと頷くだけ。僕の感覚では親父らしい存在の感じはしなかったと思う。
やがて千願心経が終わると。その祭壇に置いてあった蝋燭がグニャグニャに曲がり、これは生前、その人の根性を表すものですよと言われる。親父の根性がと子供ながらに思ったのです。曲がった根性。その時、何も不思議なことと思いませんでしたが、真っ直ぐなローソクはなく、どれもこれもグニャグニャに曲がりくねり。少し変な風景だったかなと。
こんな経験をしましたが、今、振り返ってもあれは、僕のおばあちゃんが、騙されたのでは無いかと思います。こういうことを思い出すたび、僕に能力があったなら、必死のおばあちゃんを助けることが出来たのにと悔やむのです。
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